この度は,広島大学病院輸血部のホームページにアクセス頂きありがとうございます。輸血部のご紹介をさせて頂くと共に,刻一刻と変化する輸血を取り巻く状況をいち早くキャッチして,こちらでそしゃくしわかりやすい形で皆様にご提供できれば,と考えています。
輸血は以前(1970年代まで),必要であれば近所の方や親戚などが病院に呼ばれて血液型検査を行い,それで受血者(輸血を受ける方)と適合であれば採血しそのまま輸血されていました。しかし,これにより肝炎ウイルスをはじめとする様々な感染症が受血者に発生し,問題となりました。そこで今までの,“医療としての効果重視”ではなく“より安全で適正な”輸血が求められて現在に至っています。
1980年代後半,全国の赤十字血液センターが機能し始め献血が推進されてきました。そのおかげで現在では病院で受けるほとんどの輸血は,献血血液です。それと共に“より安全な輸血”のために,①献血者への問診を強化し,病原体の混入のリスクを軽減,②献血血液に対する病原体の検査の導入,がなされ,今や日本は世界で最も安全な輸血を行っている国と言えます。しかし一方で,献血人口の低下や使用者である高齢者の増加により,慢性的な血液不足が起きています。そのため,“より安全な輸血”だけでなく,病院での輸血使用の適正化を図り“より適正な輸血”が今後は必須となるでしょう。
広島大学病院 輸血部長 藤井輝久